繰り返し使える!?使い捨てないカイロ 徹底解説

キャンプ

使い捨てることなく繰り返し使える「ハクキンカイロ」に関しての記事になります。

使い捨てカイロのようにゴミが出ず、それでいて使い捨てカイロより長時間持続&暖かいのですからメリットとしては充分です!しかしこのハクキンカイロ、90年以上の歴史があるのですが、現代ではあまり浸透していません。なぜでしょうか?その原因の中にハクキンカイロの弱点も潜んでいそうですよね。今回はそんなハクキンカイロのメリット・デメリットを実際に使ってみた感想も踏まえて徹底解説していきます!

ハクキンカイロってなに?

まずはそもそもハクキンカイロってなんなの?という所ですよね。
ハクキンカイロとは、ハクキンカイロ株式会社が1923年に「ハクキンカイロ(白金懐炉)」の商品名で発売を開始したカイロで、本体に注油したベンジンという燃料をプラチナ(白金)触媒で触媒燃焼させる事で発熱保温させる原理を用いたカイロのことを指します。

詳しく知りたい方はハクキンカイロのホームページに記載があります →こちらへ

こちらがハクキンカイロを購入すると付属してくるセットになります。

・ハクキンカイロ本体
・収納袋
・ベンゼン注入用専用カップ
・取扱説明書

おじさんの顔が特徴的ですね(笑)

ハクキンカイロの仕様

温度はどれくらいまで上がるのか

どれくらい暖かいのかというのは重要な点です。プラチナ触媒のところでなんと130度以上まで上がります。本体は40~50℃くらいまで上がり、長時間同じところに当たり続けると低温やけどになる可能性があるほどあったかい。なるほど・・・収納袋が必要なわけですね。

持続時間はどれくらいなのか

燃料のベンゼン25mlでなんと約24時間暖かさが持続します!(ハクキンカイロにはサイズが3種類あり、この場合、真ん中のサイズにあたる「スタンダート」)

しかも使い捨てカイロのように最初のほうだけ暖かくて徐々に冷めていくのではなくずっと同じ温度が持続します。そして燃料が切れた瞬間に一気に冷めます。ひとつの命がぱっと尽きてしまうかのようなそんな儚さ・・・そういう感じも好きなんですよね。

サイズは?

ハクキンカイロには「ジャイアント」「スタンダート」「ミニ」の3種類があります。
「スタンダート」と「ミニ」は楽天市場、Amazonでも購入できるみたいですが、「ジャイアント」はハクキンカイロオンラインショップでしか入手できないようです。
サイズによって持続時間も異なるようで、ジャイアントはなんと最大30時間!ジャイアントなだけありますね(笑)
私は仕事と趣味のキャンプでの使用でスタンダートを購入しましたが 同じ暖かさが丸一日保つので、仕事中はもちろんキャンプの寒い夜を乗り切るにも非常に頼りになる存在です。 大きさもポケットの中に余裕をもって入れられるちょうど良いサイズ感でした。

ジャイアント縦110×横70×厚20(mm)持続時間 最大30時間
スタンダート縦101×横68×厚15(mm)  〃   最大24時間
ミニ縦87×横58×厚13.5(mm)  〃    最大18時間

ハクキンカイロのメリット・デメリット 整理

ここで一旦口コミなども参考にしてハクキンカイロのメリット・デメリットを整理します。

メリット

  • メンテナンスをしっかりやれば半永久的に使える
  • 使い捨てカイロよりも温かい
  • 温かい時間が長時間続く
  • 所有欲を満たしてくれる(超個人的意見)

デメリット

  • ベンジンの匂いが苦手な人にはつらい(私は逆に好きな匂いです)
  • 封を破るだけで良い使い捨てカイロと違い手間がかかる(私はその手間も好きですが・・・)
  • 火事のリスクがある(可燃性燃料と火を扱うので取扱いには充分注意が必要)
  • 飛行機に持込みができない(「引火性液体の危険物」と認識され持込み不可のようです)

ハクキンカイロの使い方

それではハクキンカイロの使い方について説明していきます


①ハクキンカイロ本体のフタを外します

②火口(プラチナ触媒が入っているv字の切込み部分)を取り外す

使い始めはきっちりはまっていて取り外しにくいですが回数を重ねるうちに外しやすくなります

③専用カップを差し込みます

ピッタリはまります

④燃料(ベンジン)を専用カップに注入します。

カイロ用のベンジンはいくつか種類がありますので身近で入手できるもので購入してもらえればOKです。私は試したことがありませんがzippoオイルでもいけるみたいです。

⑤専用カップを90度回して燃料をハクキンカイロ本体内に入れます

このカップの構造も秀逸ですね。必要量の燃料をカップで計測しあとは90度回すだけでハクキンカイロ本体内へ流れていきます。・・・とここで注意が一点!専用カップ内に燃料を一杯まで入れてしまうとカップを回す時の振動で液体が外へこぼれてしまいます。カップにはメモリの線が2本入っており、下の線が6ml、上の線が12.5mlになっています。最大量まで入れたい時は25mlが最大量になるので12.5mlを2回に分けて入れるようにしてください。

※もしこぼれた場合は必ず拭き取るようにしてください。⑦の手順の際に着火の恐れがあり危険です。

ちなみに燃料の量による燃焼時間の目安としては6ml(6時間)、12.5ml(12時間)、25ml(24時間)になります。

⑥ハクキンカイロ本体を逆さまにして余分な燃料を出す

専用カップを下に置いた状態でハクキンカイロ本体を逆さまにし、真ん中あたりをぎゅっと押して余分な燃料を外に出します。本体内の綿に燃料が染み込んでいる為、25ml以下であればよっぽど出ることはありません(私自身30回以上25mlを入れて使ってますが一度も出たことがありません)
しかし、25mlを超える量を入れていたり、前回使用時に途中で立ち消えた場合は中にまだ燃料が残っていた場合がありますので許容量を超えている可能性があります。許容量を超えた状態で使用してしまうと、着火時にファイアー(燃え出す)危険があり、大変危険です。必ず行うようにしましょう。


⑦火口を装着し、ライター・マッチなどの熱源で温める

火口を本体に装着した状態でライターの火などの熱源を当て、5秒ほど先端部分を温めます。プラチナ触媒の化学反応は130℃付近まで温度が上がると起きます。この際注意点が2つあります。

※1 繊維の部分に直接火を当てないこと
煤で汚れてしまい反応が鈍化するようです。v字の切込みの空間か金属部分に軽く当たる感覚で温      めてください

※2 長時間温め過ぎないこと
必要以上に温めると火口の寿命を縮める原因になりますのでほどほどに。長くても10秒で充分です。
ハクキンカイロ本体を逆さまの状態で行うのもNGだそうです。写真のように少し横向きか上向きに持って行うようにしましょう。

最初は化学反応が起きているのかよくわからないと思います。私がやっている確認方法は「火口付近の匂いを嗅いでみる」です。「もわっ」としたベンジンの生ぬるい匂いが上がってきていたらOKです。
是非試してみてください。
その他の確認方法としては本体の蓋を火口の上に近づける・・・という方法です。しばらく待って火口に近づけた蓋の表面に水蒸気が付けば化学反応が起きている、ということになります。私は手っ取り早く済むので直接イッちゃってますが、人それぞれ好きな方法で確認できればよいと思います(笑)

⑧蓋をして収納袋に入れる

収納袋の口の部分がマジックテープになっていますのでハクキンカイロを入れた後にしっかり閉めます。30分後には手でずっと持っておけないくらいに熱くなりますので袋に入れたまま使うようにしましょう。

ハクキンカイロ VS ハクキンカイロの類似品「SRTハンディウォーマー」

ハクキンカイロには類似品がたくさんあります。試しに買ってみた「SRToutdoor製ハンディウォーマー」と比較していきたいと思います。

SRT ハンディウォーマーはハクキンカイロの実に半値近くで購入が可能です。
見た目はハクキンカイロによく似ていますが性能の方はどうなんでしょうか・・・。順番に見てましょう。

見た目の比較

まず大きさですが、写真を見ての通りほぼ一緒です。重量はハクキンカイロが75.7g、ハンディウォーマーが70.7gとわずかな違いがありますが手に持ってみてもわからないレベルです(笑)
個人的にはハンディウォーマーの方が焚火のイラストがいい味を出してて好きなんですけどね・・・。

付属品はそれぞれこのようになっています。計量カップや収納袋に多少の違いはありますね。収納袋に関してはハクキンカイロのほうが素材もデザインも断然好きです。

性能の比較

プラチナ触媒の反応時間に差がある?

気になる性能の差はどうなんでしょうか・・・。実はSRT ハンディウォーマーを購入する際に口コミを見ると「全然暖まらない」「プラチナ触媒の反応が全然起きない」という記載がありました。そうは言ってもハクキンカイロを何度も使って慣れた私であればまぁ大丈夫だろうと安易な気持ちで試してみたのですが・・・確かに同じようにライターで温めても全然上手くいきませんでした。

ハクキンカイロの2倍ほどの時間温めてようやくプラチナ触媒の反応を起こすことに成功。反応しづらいというのはちょっとマイナスポイントですが、慣れればもう少し早くできるかもしれません。

検証:持続時間・温度に差がある?

次に持続時間ですが、SRT ハンディウォーマーの商品情報を見ると「20mlで12時間以上持続」という文言がありました。最大で30mlとのことなので18時間以上持続するということでしょうか・・・。ハクキンカイロと比較する為、それぞれ25ml注油し持続時間を調べてみました。

結果・・・

SRT ハンディウォーマー 18時間、ハクキンカイロ 23時間 と、ハクキンカイロに軍配が上がりました。しかし温度のほうはハンディウォーマーの方が高いように感じました。手で直接触ると熱すぎてちょんちょん触る感じになります(語彙力(笑))最初の数時間はハクキンカイロと同じくらいの温度だったのですが、途中からめっちゃ熱くなりました。極寒の中では力を発揮しそうですね。
ハクキンカイロの方は2秒くらい触ってられる温度をずっと保つ感じでした。よく言えば安定感、なのでしょうか。もちろん温度としては申し分なく充分あったかいです。

判定

個人的には最初のプラチナ反応までの早さ、持続時間の点でハクキンカイロの方が良かったと思いました。ただ値段の点ではハンディウォーマーは約半値くらいですからコスパとしては充分だと思いますね。
まだ使ったことがない方は試しにハンディウォーマーから買ってみるのもありですね。

最後に

いかがだったでしょうか?約100年前から存在していた使い捨てないエコなカイロ、その名もハクキンカイロ。最近の若い人たちに忘れ去られてしまっていた原因は手軽に使用できるいわゆる使い捨てカイロの登場が大きかったのかもしれません。しかし環境問題が大きな問題となってきた現代で再度見直されてきているようです。自分たちにできることを取り組むひとつとして、ハクキンカイロを検討してみるのはいかがでしょうか。


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